
名古屋も本格的な夏を迎え、「せっかく買った食パン、どう保存すればいいですか」というご相談が一気に増える季節になりました。結論から正直にお伝えすると、夏場は常温放置が一番のリスクで、その日のうちに食べきれない分は迷わず冷凍が正解です。私たちつばめパンは天然酵母と北海道美瑛産小麦100%で毎日焼き上げていますが、実は「保存の仕方ひとつ」で、翌日以降のおいしさが驚くほど変わります。今日はお店の現場で実際にお客様へお話ししている内容を、そのままご案内しますね。
この記事のポイント
夏場の食パンは湿気と気温が大敵です。天然酵母のパンは保存料を使っていないぶん、正しく扱ってあげることが何より大切になります。この記事では、常温・冷蔵・冷凍それぞれの向き不向きと、私たちがおすすめする冷凍のコツ、そしておいしく食べ切るまでの目安を、できるだけ具体的な日数や温度でお伝えします。難しいことは一切ありません。特別な道具も、手間のかかる下ごしらえも必要ありません。ラップと保存袋、そしてほんの少しのひと手間だけ。今日から実践できる内容だけをまとめました。
今日のおさらい:要点3つ
・夏場の常温保存は当日中まで。翌日以降に回すなら購入したその日のうちに冷凍する
・冷蔵はおすすめしません。パンが乾燥・老化しやすく、パサつきの原因になります
・冷凍は1枚ずつラップ+保存袋が基本。食べるときは凍ったままトースターへ
この記事の結論
・夏(気温が高い時期)の常温保存は「その日のうち」が目安
・食べ切れない分は買ったその日に冷凍するのが一番おいしい
・冷蔵庫はパンが老化しやすいので避けるのがおすすめ
・冷凍なら2週間から3週間ほどおいしさをキープできます
夏場の食パン、なぜ常温保存が難しいのか
夏の名古屋は湿度も気温も高く、パンにとってはなかなか厳しい環境です。まずは「どうして夏は常温がむずかしいのか」を、私たちの現場感でお話しさせてください。
天然酵母のパンは保存料を使っていません
私たちのつくる食パンには、日持ちをよくするための保存料や添加物を入れていません。美瑛産小麦の風味と天然酵母のやさしい香りを大切にしたいからです。そのぶん、市販の袋入り食パンのように「常温で1週間」というわけにはいきません。正直なところ、これは天然酵母のパンの弱点でもあり、いちばんの魅力でもあります。だからこそ、保存の仕方でしっかり守ってあげてほしいのです。
夏場、気温が25度を超えるような日は、パンにとっての傷みのスピードが一気に上がります。特に湿度が70%を超えるような梅雨明けの蒸し暑い日は要注意です。パンの表面に見えないカビの菌はどうしても付着してしまうもので、高温多湿はその菌が活発になる条件そのものなんですね。「昨日の夜は大丈夫だったのに、今朝見たら緑色や白い点が出ていて…」というお声を夏によくいただくのは、こうした理由からです。冷房を切って外出した日中の室内は、思っている以上に高温になっている、というのも見落としがちなポイントです。
常温で置くなら「その日のうち」が目安
では夏はまったく常温で置けないのかというと、そうではありません。目安としては、買ったその日のうち、当日中に食べ切るぶんであれば常温で問題ありません。直射日光の当たらない、風通しのよい涼しい場所に、袋の口を軽く閉じて置いておいてください。朝に買って、その日の夕食やおやつで食べ切る。このくらいのペースなら、焼きたてに近いふんわり感を楽しんでいただけます。窓際やコンロのそば、電子レンジの上などは意外と温度が上がりやすいので、避けていただくと安心です。
ただ、これはあくまで「当日中」の話です。翌日の朝のトーストに回したい、というときは、常温のまま一晩置くのはおすすめしません。特に梅雨明けから9月いっぱいくらいまでは、迷ったら冷凍、と覚えておいていただけると安心です。実際、当日中に食べ切れるお客様のほうが少ないくらいですので、「半分は今日、残りは冷凍」と最初から分けてしまうのが、いちばん失敗のない付き合い方かもしれません。
冷蔵庫はおすすめしない、その理由
「冷蔵庫に入れれば安心では」と思われる方はとても多いです。よくあるのが、傷みを心配して冷蔵室にそのまま入れてしまうケース。ところが、実はこれが落とし穴なんです。冷蔵室の温度帯(およそ2度から6度)は、パンに含まれるデンプンがもっとも老化しやすい温度と言われています。老化というのは、要するにパサついて硬くなり、風味が抜けてしまう現象のこと。冷蔵庫に一晩入れたパンが、なんだかボソボソする…と感じたことがある方は、まさにこれが原因です。
傷みは抑えられても、おいしさは大きく損なわれてしまう。だから私たちは、冷蔵ではなく冷凍をおすすめしています。ちなみに、同じ冷蔵室でも野菜室(およそ3度から8度)のほうが、まだ乾燥はゆるやかです。どうしても冷凍庫に空きがなく一時的に冷蔵する場合は、ラップでしっかり包んだうえで野菜室へ、そして翌日には食べ切っていただくのが次善の策になります。
つばめパン流・いちばんおいしい冷凍のコツ
ここからは、お店でいちばんよくお伝えしている冷凍のやり方を具体的にご案内します。ちょっとしたひと手間で、解凍後のおいしさがぐっと変わりますので、ぜひ試してみてください。
買ったその日のうちに、1枚ずつ冷凍する
冷凍でいちばん大事なのは「鮮度が高いうちに凍らせる」ことです。おいしさは時間とともに少しずつ抜けていくので、翌日に冷凍するより、買ったその日に冷凍したほうが断然おいしく仕上がります。できれば購入から数時間以内、遅くともその日のうちに、と覚えておいてください。
手順はシンプルです。まず食パンを1枚ずつ、空気が入らないようにぴったりとラップで包みます。このとき厚切りが好きな方は、あらかじめお好みの厚さ(4枚切りや5枚切りなど)にスライスしておくと後がラクです。次に、ラップした数枚をまとめて冷凍用の保存袋に入れ、袋の中の空気をできるだけ抜いてから口を閉じます。ストローで軽く空気を吸い出すと、家庭でも簡単に密閉度を上げられますよ。この「1枚ずつ包む」「空気を抜く」の2つが、乾燥と冷凍焼けを防ぐ最大のポイントです。1枚ずつ包んでおくと、食べたい分だけ取り出せるのも便利ですよ。
冷凍でおいしく食べられる目安は2〜3週間
冷凍したパンは、目安として2週間から3週間ほどおいしくお召し上がりいただけます。冷凍庫の中でも風味は少しずつ落ちていくので、「ずっと保存がきく」わけではない点だけ気をつけてください。特に、扉の開け閉めが多いご家庭では庫内の温度が上下しやすく、霜がつきやすくなります。奥のほうの温度が安定した場所に置いていただくと、より長くおいしさを保てます。私たちのおすすめは、袋に冷凍した日付をマスキングテープなどでメモしておくこと。地味ですが、これが本当に役立ちます。「いつのだっけ」と迷わずに済みますし、食べ忘れも防げます。
解凍は「凍ったまま焼く」が正解
いよいよ食べるときですが、ここが多くの方がつまずくところです。結論から言うと、自然解凍せず、凍ったままトースターに入れるのが正解です。自然解凍すると、パンから出た水分でべちゃっとしてしまいがちなんですね。
凍ったままのパンを予熱したトースターに入れ、まずは表面が軽く色づくまで焼いてください。トースターによって差はありますが、目安はおよそ3分から5分ほど。厚切り(4枚切り程度)なら5分前後、薄切りやサンドイッチ用なら2分ほどが目安です。もし霜が気になるようなら、焼く前に霧吹きで表面にほんの少し水分を足してあげると、外はカリッと中はふんわりに仕上がります。焼き上がりの香りは、正直、焼きたてに引けを取りません。ここまでやっていただくと「冷凍したとは思えない」とよく驚かれます。先日も店頭で、「半信半疑で試したら本当に焼きたてみたいで感動した」と、わざわざご報告くださったお客様がいて、私たちもとても嬉しくなりました。
よくある質問
Q1. 夏場、常温で何日くらい置けますか
A1. 気温の高い時期は、基本的に買ったその日のうち、当日中が目安です。翌日以降に回すなら、その日のうちの冷凍をおすすめします。
Q2. 冷蔵庫に入れてはいけないのですか
A2. 絶対にダメというわけではありませんが、冷蔵はパンが乾燥・老化しやすく、パサつきの原因になります。私たちは冷凍をおすすめしています。どうしてもの場合は、ラップで包んで野菜室へ、翌日までに食べ切ってください。
Q3. 冷凍したパンはどのくらいもちますか
A3. おいしく食べられる目安は2週間から3週間ほどです。長く置くほど風味は少しずつ抜けるので、早めに食べ切っていただくのが一番です。
Q4. 冷凍したパンは自然解凍してもいいですか
A4. あまりおすすめしません。水分でべちゃつきやすいためです。凍ったまま予熱したトースターで焼くのが、いちばんおいしい召し上がり方です。
Q5. 1枚ずつ包むのが面倒です。まとめてではダメですか
A5. まとめて冷凍すると、くっついたり乾燥したりしやすくなります。ひと手間ですが、1枚ずつラップで包んでいただくと仕上がりが大きく変わります。
Q6. サンドイッチ用に薄く切って冷凍できますか
A6. もちろん可能です。お好みの厚さにスライスしてから冷凍しておくと便利です。薄切りは焼き時間を短めに調整してください。
Q7. トースターがない場合はどうすればいいですか
A7. 凍ったパンを室温で少し戻してから、フライパンで蓋をして弱火で温める方法もあります。表面が乾かないよう、様子を見ながら温めてください。
Q8. カビが一部に生えていたら、その部分を取れば食べられますか
A8. 正直に申し上げると、目に見える部分だけ取り除いても安心とは言い切れません。もったいないのですが、その場合は無理せず処分いただくのが安全です。
Q9. 焼く前に霧吹きをするのはなぜですか
A9. 冷凍中に抜けた水分を少し補い、外はカリッと中はふんわりに仕上げるためです。ほんのひと吹きで十分ですので、かけすぎにはご注意ください。
まとめ
最後に、夏場の食パンの保存で覚えていただきたいことをまとめます。
・夏の常温保存は当日中が目安。翌日以降に回すなら、その日のうちに冷凍する
・冷蔵庫はパンが老化・乾燥しやすいので避けるのがおすすめ
・冷凍は1枚ずつラップで包み、空気を抜いた保存袋へ。日付メモがあると安心
・おいしく食べられる目安は2〜3週間。自然解凍せず凍ったまま焼く
・霧吹きをひと吹きすると、外はカリッ中はふんわりに仕上がります
私たちが手間ひまかけて焼いた美瑛産小麦のパンを、ご家庭でも最後の一枚までおいしく召し上がっていただけたら、これほど嬉しいことはありません。暑い季節こそ、ちょっとした保存のひと手間が、翌朝のトーストの幸せにつながります。分からないことがあれば、店頭でお気軽にスタッフへお声がけくださいね。今日も一日、おいしいパンとともに元気にお過ごしください。
